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徳島地方裁判所 昭和28年(行)1号 判決

原告 松本高義

原告補助参加人 川野正一

被告 以西土地改良区

一、主  文

原告及訴外者等総代解職請求代表者が昭和二十七年十月七日被告土地改良区に対して為した以西土地改良区総代解職請求署名簿確認申請について被告が昭和二十八年一月十七日附を以てなした却下処分は之を取消す。右署名簿における有効署名押印の総数が総組合員数の三分の一以上であることを確認する。

訴訟費用は被告の負担とする。

二、事  実

原告は主文同旨の判決を求める旨申立てその請求の原因として被告土地改良区は土地改良法に基き従来の以西普通水利組合を改組したもので、原告はその組合員であるが、その総代の組合運営が当を得ないため理事長を始めとして現役員の業務執行行為、殊に組合負担金の過重賦課や、組合経費の濫費等一般組合員に対する不信任的行動があつたので昭和二十七年九月一日土地改良法第二十四条に基き全総代の解職請求を為すべく、原告及訴外大島和七、横山秀夫、重田督之、伊沢源一、伊沢豊秋、板東喜好、以西正一、篠原伊助、坂東達二が総代解職請求代表者(以下単に代表者と略称する)となつて被告改良区に対し代表者証明書の交付を請求したところ同月四日被告は右証明書を交付し同日組合員数の三分の一は二百七十八名である旨の告示を為した。よつて原告等代表者は組合員等に対し総代解職請求書(以下単に請求書と略称する)及代表者証明書の各写を添えた総代解職請求署名簿(以下単に署名簿と略称する)に署名押印を求めたところ同年十月三日までに三百六十八名の署名押印を得たので同月七日その署名簿を被告改良区に提出して確認証明書の交付を申請したが被告改良区は昭和二十八年一月十八日次のような理由によつてその申請を却下した。即ち署名簿に添附した趣意書及代表者証明書各写に「写」なる文字を脱落したものがあり、代表者中伊沢源一は趣意書原本に「源逸」とあるのを写には「源一」としてあるから、真正な写を添附したとは言えず、土地改良法同施行令に違背した署名簿で署名蒐集したこととなる。又各個署名押印の中署名年月日を単に昭和〃年〃月〃日と「〃」なる符号で書いたもの、生年月日に明治 大正 昭和〃年〃月〃日とあつて明治、大正、昭和の何れも消していないもの及び「〃」なる符号で書いたもの、印章不明確なるもの、住所欄に単に「和田」「延命」等大字のみを書いたもの及び「〃」なる符号を書いたもの、氏名中「板東」と「坂東」とを書き違えてあるもの「美間」を「美馬」と書き違えたものは何れも無効であるとし、且つそれら無効署名を差引くときは全署名数は法定数に達しないというのである。しかし乍ら署名簿に添附した趣意書及代表者証明書の写に「写」の文字が脱落していても他の常況(例えば「原田量之 印」なる謄写)から写であることは明らかであり、伊沢源一については日頃本人自身「源逸」の文字を使用し、近隣者も亦「源逸」を本名と考えているので「源逸」として代表者証明書を申請したところ被告改良区の方で戸籍上の「源一」に訂正して来たのでその通りに写に記入したもので虚偽の事項を写に記入したのではない。従つて此等を添付した署名簿に何等瑕疵なく、各個署名に関しては、土地改良法施行令第三十六条第一項によれば署名簿の必要的記載事項は組合員の署名及押印のみであり且つ署名簿の様式は土地改良法同施行令中何等規定されていないから自由に調製しうべきで、住所、生年月日、署名年月日の記載は必要要件ではなく単に参考事項にすぎない、署名、押印のみあれば有効とすべきである。しかも被告の指摘する理由中署名年月日、生年月日、住所欄に「〃」なる符号で表わしたものは前行に同じであるという意味に解すべきこと一般通念からも明らかであり、又生年月日の明治、大正、昭和の年号中何れも抹消していないものでもその年数と署名者とを考え合せれば自ら判明することであるし、以西土地改良区が主として国府町の十字と入田村の三字、石井町の二字によつて構成されていることから大字が記入されてあればそれのみで十分署名者の住所は判明するのである。従つて仮りに被告の主張するように署名年月日、生年月日、住所の記載を必要とするとしても右要件は何れも充足されている。その他押印された印章に不明確なものがあつたとしても押印の事実が認め得られれば有効と解すべきであり、「坂東」を「板東」と誤記したもの、「美間」を「美馬」と誤記したものを非組合員なりと判定しているが坂東喜好は請求代表者としては「板東」として申請したところ被告も「板東」として証明を与えておきながら署名については不当にも非組合員としている。之等姓名の明らかな誤記は選挙点検基準に做い本人自筆である以上その誤字、脱字を以て無効とすべきではない。美馬市太郎についても八十余歳の老令であるため署名するうち署名箇所に字が入りきらなくなつたため太郎を略して「」としたのであるが同人は永年部落総代をつとめ地方の長老として知名の士であるのに之を殊更に美馬市六と読解して非組合員たりと判定しているのは極めて不当である。

更に土地改良法関係法令には署名簿の確認について土地改良区に実質的審査権を与えた規定はなく、従つて所謂形式審査権のみを有すると解すべきであるのに被告改良区は実質的審査権ありとして署名者毎に実質審査を為しその結果多数署名を無効としたがかゝる判定はもとより無権限違法の行為で何等効力を有しない。仮に然らずとするも被告が実質的審査を為して無効と判定した経緯は理事長である原田量之が自己の腹心の者達を同道して各署名者宅を訪問し純朴な農民である署名者達が十分その意見を発表することの出来ない状況下で各署名者毎に署名をした理由をきゝ出し都合のよい様に調書を作成した上、之に基いて有効、無効を決定するという方法によつたのであるがこのような行動は自由な意思を表明せしめようとする解職請求制度の趣旨から極めて不当であるのみならずかゝる威嚇的な質問に対して純朴な農民に正確な答を期待することは出来難く曖昧な態度に出るであろうことは容易に推察されるのである。従つて右調書自体何等信憑力をもたず之に基いて無効を判定した被告の処置は失当である。

以上の如く原告ら請求代表者の提出した署名簿の署名は何れも有効でその署名数は明らかに法定数以上を占めているのに故意に之を無効と解しその確認申請を却下した被告の処分は不当であるからその取消を求め併せて右有効署名数が組合員総数の三分の一以上であることの確認を求めるため本訴に及んだ。被告の主張事実中南岩延地区に対して為された署名蒐集が解職請求書に記載する要旨の一部を削除変更した趣意書を配付して賛成を得たとの主張及び現総代が何等組合員のため不利益行為をして居らぬ旨の主張は否認する。後者については例えば以西普通水利組合が法の改廃で以西土地改良区となり役員が一部入れ替つたのみであるのに大袈裟な設立祝賀会的催しを行い記念品代と宴会費に一日で約九万円を費消した事実の如き明らかに多数組合員の黙許し難い不利益行為である。

被告の抗弁に対し土地改良法施行令第三十七条第一項による証明書の交付は署名及押印した組合員の数がその総数の三分の一以上になつているか否かを調査して之を為すべきであり同法及び同法関係法令に改良区に対して解職請求要旨の当否を詮議する権限を与えている法条は存在しないのであるから本件解職請求自体が違法無効であるとの主張は的を外れた攻撃である。しかも請求要旨中「現役員を更迭して新しい土地改良区の運営を図つて貰う云々」なる文言は理事のみを指しているのではなく総代も役員であるから直接には之を更迭し、理事の改選期に到れば新総代の手によつて現理事の交替をも実現しようということを意味するのである。本件署名蒐集行為が始められたのは昭和二十七年九月で翌二十八年十二月には理事の任期が満了するので通常の経過で行われたのであれば右任期満了までには解職請求も充分に成就する見込で着手したのであるが、現理事長の故意の遷延策によつて三ケ月以上もその手元に止めおかれた結果右の時期における新総代の手による理事改選は不能となつたので決して実現不可能な事を可能の如く書いたわけではない。そして理事の改選が当初の予想の如く行われなくとも新総代の適切な組合運営が実現されれば十分にその目的を達することは出来る。従つて請求要旨に実現不能の事を書いて組合員を瞞着した詐欺に基く署名蒐集であるとの主張は失当である。

請求書の宛名を被告土地改良区としたことは認めるが、土地改良法施行令が代表者証明書の交付を申請するときには請求書を添附すべき旨を規定している法意は解職請求を如何なる理由で為すのかを明確にする為のものであるから宛名は元来不要であるべく、同法二十四条によつて町選挙管理委員会に提出するときにはその宛名を町選挙管理委員会とすれば足りるのである。しかも同施行令には違式その他の不備があるときは土地改良区は日限を定めて訂正を求むべきことが定められており、原告等請求代表者が本件請求書を添えて代表者証明書の交付を申請した時にはそのまゝ証明書を交付しておきながら本訴において俄かに違法、無効を主張することは自らの証明行為を無効であると主張するにひとしい矛盾した言で失当である。

又被告改良区が本件署名簿の署名の認定準拠とした農林省農地局よりの執務指針なるものは法令規則と異なるから之を以て一般組合員を拘束することは出来ないと述べた(立証省略)。

原告補助参加人は同人が被告改良区組合員で本件総代解職請求署名簿に署名押印を為したところ、被告改良区はその署名が住所及び署名年月日欄に「〃」と記入してあることを理由に無効としたが、之は何等無効理由とはなり難いものと解するので被告の為した右措置には不服であるよつてその不当を争うべく原告のために補助参加すると述べ、原告主張事実及び立証を援用した。

被告土地改良区は原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とするとの判決を求め原告主張事実中原告及び訴外大島和七外八名より主張日時被告改良区に対し総代解職請求についての請求代表者証明書の交付申請があり之に対し同証明書を交付し組合員数の三分の一の告示を為したこと及び主張の如き署名簿の確認証明書交付申請に対し之を棄却したことは認めるがその他の事実を争う。被告改良区は土地改良法に基き昭和二十六年十二月十三日従来の普通水利組合を改組して土地改良区を構成したのであるが普通水利組合当時は水利組合法に基き灌漑事業を主体としその施設の維持管理を為すことを以てその業務とし、組合費も土地所有者のみに賦課すれば足りたのに対し、土地改良区となつてからは土地改良法によつて農業経営上の一切の施策即ち灌漑、排水、農道、耕地整理、土地の交換分合、施設の維持管理がその事業目的となり、組合費も土地の利用者すべてを対象として賦課されるようになつた。従つてこの両者を単に名称の違いとしてのみ判断することは出来ず、法も普通水利組合の任意加入とは異つて一定要件の下に強制的加入方法を定め、しかも同法第六十六条第二項に規定する場合以外には組合よりの脱退を認めていない。しかるに原告は経費が嵩むという理由で一部組合員と共に脱退を申出て来たので右理由のみでは脱退を認めることは法律上許されぬとして被告改良区理事長は理事会の議決を経て之を却下したところ之を不服とし現役員の不信任を理由に総代の解職を請求するにいたつたのである。しかし乍ら総代解職制度は全組合員より公選された総代が組合員の利益に反するような行為をした場合に組合員多数の意思で之をやめさせるという制度で原告が解職請求要旨中に述べているように現在の役員の組合運営方法が不満であるから現総代を解職し新総代の手で新しい役員を選任せしめ以てその運営方法を改めようという如く他の意図目的のために何等組合員に対して不利益な行為をしていない総代を解職することは制度の本旨から許さるべきではない。しかも土地改良区が国及び県の助成事業を大部分とし又自治団体としての性格が顕著でないため同法は他の地方自治法規と異なりその執行機関に対する解職制度を認めず、行政庁が之を監督する方法をとつているのであつて、かゝる地位にある理事等にもし原告の主張するような不当な行為があれば当然法による監督是正を加えらるべくその他任期中にその意に反して解任されるということは法規上不可能のことに属する。従つて仮に総代が改選されても結局原告等請求代表者の意図する結果は実現出来ずしかも一方之が手続のため被告改良区の事業の支障、関係人等の迷惑、金銭、日時の浪費はもとより地方人心の不安を醸成する等その弊害は誠に甚大である。かくの如き解職請求は、土地改良法にいう総代解職請求とは全くその目的、結果を異にするものであるから解職請求行為自体が無効であり署名簿についての判断をまつまでもなく本訴は棄却さるべきである。仮りに然らずとするも一般大衆が法律的に無知であるのに乗じて前記の如く請求要旨中に総代を解職することにより直ちに現理事が解任され新理事による組合運営が実現するような虚偽の事実を記載し、之によつて組合員を錯誤に陥れ以て署名、押印を得たのであるから明らかに詐欺による署名勧誘で無効と言わねばならない。更に原告等代表者の作成した解職請求書の末尾には「土地改良法第二十四条第一項の規定により全選挙区全総代の解職を請求します」と記載しその宛名を以西土地改良区御中としているが解職請求は同法第二十四条により市町村選挙管理委員会に対し之を為さねばならないのであるから右請求書は適式なものとは言い難く、結局原告等代表者は違法な解職請求書写しを添附した署名簿に署名押印を求めたこととなり、かゝる瑕疵ある署名簿の署名はすべて無効である。又代表者の一人伊沢源一は原本に源逸とあるのを写には源一と謄写しており之亦原本と異つた写を署名簿に添附した結果となるので前述同様瑕疵ある署名簿で之に為された署名はすべて無効である。

以上の如き理由によつて本件署名簿の署名はすべて無効であるが仮りに然らずとするも国府町矢野地区において蒐集された署名簿(検甲第四号)を除き他のすべての地区における署名簿は添附された解職請求書写の末行より四行目が「……以西土地改良区全選挙区全解職を請求します」とあつて原本の同箇所「……以西土地改良区全選挙区全総代の解職を請求します」とあるのと一部相違しており、かような不正確な写しによつて署名を蒐集したことは同法二十四条同施行令三十六条の要求する適法な署名蒐集と言い難いので無効と解すべきである。

以上のように本件署名簿には明白な瑕疵が多数あつて各署名についての審査をまつまでもなく不適法却下すべきものであつたが、被告は手続の慎重を期するため各々の署名、押印について更に判断を為したのであるが、元来土地改良法関係法令には署名簿の様式記載事項につき署名、押印を求めること以外に明文規定なく、従つて土地改良区の執務につき農林省農地局より与えられた指針に基き市町村議会の議員の解職請求に做い署名簿の審査をすることとした。之が審査設例によるとその無効判定規準は(1)署名簿の提出が地方自治法施行令第九十四条第一項の期間を徒過した後に為された。(2)署名簿に請求書写、請求代表者証明書写、請求署名蒐集委任状の欠缺している場合、(3)署名簿の様式に署名年月日、住所、生年月日、印の欄を欠く場合、(4)選挙人名簿に記載されていない者の署名、(5)ゴム印の署名、(6)何人であるか確認し難い署名、(7)署名年月日、住所、生年月日、印のない署名、(8)署名者の出頭証言により自署でないことの判明したもの、等となつている。よつて被告改良区は右審査設例に做い、且つ署名年月日は当該署名が土地改良法施行令第三十七条第二項の期間内に為されたか否かの、生年月日及び住所は組合員名簿に必要的記載事項であり署名者が組合員であるかどうかを夫々審査する上に必要であるからその各記載を以て必要的記載要件と解し、以上の規準によつて署名の形式的審査を為すと共に当該署名が真実に署名者によつて総代解職請求のために為されたか否かを審査すべく署名者の出頭或いは証人調べ等の方法によつて所謂実質的審査をも為したのであるが右審査の結果無効署名は三百十名に上つた(本訴において更に無効判明せるもの四名を加えれば三百十四名である)。右各個別無効理由及無効署名は別表(一)(二)に記載した通りであるが、総署名数三百六十八名より右無効署名数を差引くと有効署名は五十四名となり法定数たる二百七十八名に満たない。

以上列挙の各理由によつて被告改良区は原告ら代表者よりの申請を却下したのでその処分に何等不当のところはないと述べた(立証省略)。

三、理  由

原告及訴外大島和七外八名の代表者が昭和二十七年九月一日被告土地改良区に対し代表者証明書の交付を申請し同月四日被告改良区が右証明書を交付し、同日組合員の三分の一は二百七十八名である旨の告示を為したこと及び代表者等が同年十月七日署名簿を被告改良区に提出し確認証明書の交付を申請し、昭和二十八年一月十八日被告改良区において右申請を却下したことは何れも当事者間に争がない。被告改良区は原告等代表者の為した本件解職請求行為が請求要旨の内容より案じて土地改良法第二十四条に該当しない違法な解職請求である旨主張するが、検甲各号に添附された請求書によれば結局役員の組合運営の失当とその方法に対する不満及び組合費の過重賦課を不服として同法第二十四条により総代の解職を請求する旨記載されており、法第二十四条による総代解職請求であることは明らかである。しかも土地改良法は総代解職請求を為すために総代に組合員に対する不利益行為その他一定の事実あることを要する等の制限は加えていないからいやしくも総代を解職することが明言されてあれば之を以て足るのであるから前記請求書記載の事項によつてなした本件解職請求行為自体は有効である。仮りにその要旨中に不当不実の記載があつたとしても之に対する当不当、賛否の判断は之をしめされた組合員においてその署名に応ずるか否かによつて表わすべきものである。土地改良区の総代解職請求を地方自治団体の長や議会議員のそれに比して特に厳格に解さねばならぬ理由は存せず原告等請求代表者の本件署名蒐集行為が解職請求制度の乱用であるという事実も右請求要旨によつては認め難く他に之を肯認すべき証拠も存しない。従つて本件解職請求行為自体が違法であるとの被告の主張は肯定することが出来ない。

又被告改良区は代表者らが請求書の趣旨内容に虚偽の事実を掲げこれによつて組合員を錯誤に陥れ賛成署名を得た旨主張するけれども、所謂詐欺勧誘による署名と言うのは署名蒐集者が署名の目的そのものをいつわつて勧誘した場合をさすのであつて被告の主張する如き事由は之に当らないものと解すべきものである。

次ぎに総代解職請求書の宛名が土地改良区御中となつていることは原告の自認するところであるが法第二十四条には解職請求賛否投票手続に入るために該手続を管理する選挙管理委員会に該請求書を提出すべきことを定めているから代表者等が請求書に土地改良区御中と記載しても右の段階において手続を為す機関を誤認したのでないことは明らかであり、同法施行令第三十五条第一項、同第三十六条第一項において右請求書又はその写を使用する旨の規定はあるがこれにより選挙管理委員会に対して何等かの行為を為すためではないことがその規定の性質上明らかであるから右の場合選挙管理委員会に宛てねばならぬ必要は起り得ない。従つて右各法条に規定する請求書には宛名は必要的記載事項でないと解するのが相当である。よつて原告等請求代表者が請求書に以西土地改良区御中と記載したことをもつて法第二十四条に違式の請求書であるとの被告の主張は取り上げるべきでない。又代表者の一人伊沢源一が請求書原本に源逸と記載し写には源一となつていることも原告の認めるところであるが被告代表者原田量之の供述によれば請求書原本に源逸と記載してあつたので戸籍上の姓名に訂正すべく注意したところ代表者側において訂正の上源一と写に記入したものであること、源逸は同人の通称であることが認められ、しかもこの程度の原本と写との相違は実質的に何等影響を及ぼさないのであるから、写としての効果を否認せねばならぬ理由も存しない。更に矢野地区以外の署名簿に添附された請求書の要旨の一部が原本と相違する旨の主張については、検甲各号によれば第一乃至三、第五乃至八、十号の末行より四行目の下二字が印刷拙劣のため不明となつて居り他の行にも下の部分の印刷がのつていない箇所があつてこれはインク字を以てそれぞれ補筆されていること、同第四号は問題の部分をインク字で総代と補筆していることが認められる。しかし乍らこの部分の総代の二字が欠けていても要旨の題目及び文章中に総代解職の旨は随所に表われており、請求要旨を読まうとするものに不理解を来たす虞は全くないし、印刷のうすれや右の程度の脱字を以て原本と相違する写であるということは出来ない。以上の如く被告の主張する本件署名簿自体の瑕疵は何れも法律上の効果は否定するものではなく、従つてこれを理由に全署名の効力を否認した被告改良区の判定は失当である。

よつて更に本件署名簿の各署名について判断を進める。被告は署名の形式審査は地方自治法上の署名簿の署名に対する有効規準に従つて為すべく主張するが、土地改良法及びその関係法令には署名簿の様式、署名事項について地方自治法上のそれを準用すべき旨の規定はないから必ずしも該様式、事項を直接規準にすることを要しない。而して土地改良法第二十四条、同法施行令第三十五条には署名簿に組合員が署名、押印すべきことのみを規定しているのであるから署名、押印が必要なことは言うまでもない。その他生年月日、住所については何等規定していないので仮りに之を記載していない署名があつたとしてもその効力に影響はなく、その記載は任意的記載事項として取扱うべきである。このことは土地改良区の組合員を対象にする総代の解職請求と一般地方住民を対象とする地方議会の議員のそれとが自ら範囲を異にし、前者の場合は組合員名簿と署名者との照合が比較的容易であると考えられるところからも言いうることである。又署名年月日は該署名が法の要求する署名期間内に為されたか否かを判断するために必要であるから、之が全く不明の署名は判定不能たらざるを得ない。従つて署名年月日の全く不明である署名は無効と解さねばならない。以上の規準を以て各署名の有効要件とするときは、被告の主張する別表(一)の(6)(7)(9)(11)(17)<イ><ロ><ハ><ニ><ホ><ヘ>は何れも無効事由とはなり難く、又(16)は検甲各号によれば署名年月日欄に「〃」を記載したものを指称していると推認されるのであるが「〃」を使用するは社会通念上前の行に同じという意味にとるべきでこれを以て符号を用いた不明確な記載と解すべきではない。

而して原告は被告改良区には署名を実質的に審査する権限なく、従つて実質審査の結果被告が無効と判定した行為は何等効果を発しないものと主張するが、法律上特に実質審査を為すべき旨の規定がない場合でも施行令第三十七条の書面を交付する必要上改良区において署名の真否につき疑をもつときは之を審査し得るものと解すべきである。しかし乍ら証人溝淵保一、同橋本常一、同松原典昭、の各証言、被告代表者原田量之尋問の結果によれば、乙第三号証の一乃至一三五(五一の(ロ)を除く)は本件署名簿が被告改良区に提出された後理事長である原田量之が署名数の確認を為すため同理事会にはかつて同号証様式の質問書を作成した上、同人が質問者松原典昭が筆録者、溝淵保一、橋本常一が立会人となり(但し二、三ケ所について同人の立会わなかつたこともある)各署名者個人毎に質疑応答を為して之を記録したものであること、各署名者に対する実質的審査は殆ど同号証に基いて之を決したものであること、同号証によればその質問事項中、二問は署名簿に添附してある請求書を読んでその要旨全部に賛成の上署名押印したか否か、七問は請求趣意書を代表者から受取り、又それを読んで賛成したか否か、八問は税金、負担金等を安くする、乃至安くなる旨の説明により請求要旨を知らず又理解せぬまゝに署名押印したか否かを質問するものであることがうかがわれるのであるが、右質問事項は結局署名者に署名、押印を為すにいたつた動機、誘因をたゞすものに外ならない。しかし乍ら解職請求の署名は当該署名者が解職請求者として署名する意思の下に之を為せば足り、賛成の動機如何を問わず又、請求要旨に表われた首唱者の主張にのみ賛同することや、請求要旨と全く同一意見の下に賛成することは必要ではないから如上質問の結果、要旨を読まぬもの、自己に定見なく署名したもの、他人の依頼によつて署名したもの、経費軽減を希望して署名したもの、要旨の一部分に賛成し、又は自己が任意に解釈の上賛成したもの等をすべて実質的に無効なりと判断した被告の見解は失当である。又同号証に録取された応答も質問が前述の如きものであるため、中には総代解職請求の認識を有したかどうかが必ずしも判然しない部分があるけれども、証人横山秀夫、同領家高蔵、同伊沢源一、同坂東達二、同伊沢豊秋、同大島和七、同重田晋之、同篠原伊助、同以西正一、同坂東喜好、原告本人の各供述によれば原告及訴外横山秀夫外請求代表者は何れもその署名蒐集の受持地区に対しては前以て或いは署名を求める際に請求趣意書を各署名者に配付し、或いは之を読み聞かせ又は口頭にてその要旨を告げる等の方法をとつていること、被告改良区の業務運営についてはかねて不満の組合員も相当居り過去に脱退希望も多く出た事情もあつたことが認められ一方前記原田量之の供述によれば本件署名簿を審査すべく全署名者に改良区えの出頭方を通知するも、僅か二名が出頭したのであつたため、各戸毎に訪問の上審査をするようになつたこと、従つて署名者が自ら署名目的を知らずして署名をした旨を申出た事情も存しないことが認められるので、各署名簿毎に法令の要求する書類の添附されていることも考え合せると、特に反対の事実を証する証拠なき限り本件各署名は署名者が総代解職請求のために為したものと推認するのが相当である。従つて検甲第一乃至第八、第十号証及び乙第三号証の一乃至一三五を綜合した結果、

国府町中地区分署名簿(別表(二)の一)記載の署名中

2松本幾蔵 4松本和平 6河野要 7河野源吉 8川野重太郎 9笠井芳蔵 10滝本保一 11沼田定市 12松本武一 13松本浪三郎 15松本松太郎 16美馬一男 17美馬谷蔵 18美馬高太郎 21美馬虎市 26森喜八 27友竹高次 28松本義一 29美馬政一 30友竹豊 32川野正一 37河野厳 44早淵良一 46瀬川順一 48瀬川儀一郎、は何れも有効であり

国府町府中南井上村の一部地区分署名簿(別表(二)の二)

3重田栄左衛門 4津田シゲリ 6佐藤仁平 7手川義一 8前田里枝 10榎本延太郎 11新井清 13友成善親 15大川スエノ 18福本一義 21大江増一 27堀嘉太郎の各署名については無効とすべき事由なく、5津田義雄については乙第三号証の七二によれば津田スエノが以西区域を退く意味で賛成したに違いない旨供述しているのみで他に右事実を認むべき証拠はなく反つて同号証の署名簿に添附された請求要旨を義雄が読んだ旨の他の供述部分より案ずれば署名者は本件署名を為すに当つて総代解職のために為すことの認識は有していたものと推認されるので無効署名ということは出来ない。23鈴江義治は代筆なる旨の主張があるけれども之を認むべき証拠は存しないので右事由を以て無効とすることは出来ない。

国府町観音寺地区分署名簿(別表(二)の三)記載署名中

3阿部定一 4郡音吉 5多田明 6柴田芳春 7坪井源次 9坂東太郎 10坂東正勝 13多田竹一 15坪井千万太郎 16多田順一 18島五平 20足助義秋 21森口栄次郎 27宮本福一 30葉久秋子 31中谷清 33坂東儀一 34葉坂ツネ子 35片山福太郎 37松島利平 38中野イリエ、は何れも有効であり、14坂東一幸の署名について被告は自印に非ざる印を押印した理由によつて無効と判定した旨主張し乙第三号証の六一によれば同人の妻春子が自宅には丸印なき旨供述しているが、署名簿に押印するためには自己所有の印に限らねばならぬ理由なく、他より借用した印であつても自己の押印のために使用する認識を有していれば足りると解すべきであるから他人が署名者の不知の間に恣に押印した事実のない以上有効とせねばならない。又28多田ツネ子は非組合員なる旨主張するけれども検乙第一号によれば同人の組合員たることは明らかであり、29井上友吉は代筆の主張があるが之を認むべき証拠はなく、32坂東喜平 36佐藤フジは印章不鮮明で無効と主張するけれども同人等の印影と認め得るので何れも該理由によつて無効ということは出来ない。

国府町矢野地区分署名簿(別表(二)の四)記載の署名中

9河野鶴雄 10盛八郎 13盛政雄 17佐藤官一 20板東仁平 22原田宇太吉 25吉田貞一 29幸田金蔵 30河野正幸 32桑内光雄 33盛安美は何れも有効であり、12立木チエ 14中阿地秀雄 15堤君江 21中阿地安市の押印は何れも同人等の押印であることが認め得られるので無効とは言い難く、27田中才一は代筆認定の主張があるけれども乙第三号証の七七によればその妻カジエが本人の自署自印に相違なき旨の供述をしておりしかも他に代筆の証拠は存せず、4阿部国一 31阿部清子の署名については乙第三号証の七六によれば同人等が署名簿の署名、押印勧誘は家々を回覧で来たと答えた旨録取されているが、同人等以外の供述書の中に署名に関して回覧板による蒐集が為されたという答は見当らず一戸だけに回覧板で来たというようなことは常識上考えられぬところであり一方証人伊沢豊秋の証言の結果より同人が直接右二名の者から夫々署名押印を得たことが認められるので前記供述は措信し難い。よつて右二署名を代表者によらざる蒐集によるものとして無効としたのは失当である。又11佐藤つね子は非組合員と判定しているが検乙第一号証によれば同人の組合員名簿上の名前がツネであつて右署名の名前と同一でないことは認められるが、片仮名を平仮名にして署名することや婦人が名前の下に子をつけることなどは世上有り勝ちのことであり之が為他に同姓同名の組合員あつて判別つき難い事情も存せず、同人が生年月日を署名簿に記入しているので組合員名簿に照合すれば容易に佐藤ツネと同一人であることは判明するから、殊更に非組合員として無効にする必要はなく他に無効事由は認められないから有効と解すべきである。7佐藤可一は署名年月日の記載がないが同人の署名の前の板橋忠雄の署名は昭和二十七年九月八日に後の佐藤朋一の署名は同月九日に夫々為されていることが認められるから、同人の署名はその何れかの日に為されたと推認されたの有効期間内の署名として取扱うべきである。

延命地区分署名簿(別表(二)の五)に記載する署名

右地区において蒐集された署名は代表者が請求要旨に反する趣旨で勧誘したという理由で被告はすべて無効であると主張するが、乙第三号証の九三によれば同地区の署名蒐集者となつた以西正一が請求要旨中「経費は普通水利組合当時の額にとゞめる云々」とある箇処を、それを超過するも已むなしとの意見をもちそれを署名蒐集の際に署名者に説明した旨及び同地区署名簿册添附の請求者代表証明書が写しでない旨の供述があり右供述を以て無効と認定したものとうかがわれる。しかし乍ら前段の供述については前述判示の如く本件署名を無効ならしめる理由とはなり難く、後段は検甲第五号及び証人以西正一の証言の結果によれば署名簿添附の請求書写の末四行目最下段の二字が印刷脱落していることを意味するものであると認められるから、之亦前判示の如く署名簿の無効事由ではない。

而して各署名中1坂東喜三雄 2板東万一 3板東竜右衛門 6以西正一 7坂東権吉(板東と書いたとは認められない)8美馬和吉 9馬地春吉 10馬地嘉男 11多田定太郎 12美馬秀吉 13美馬惣助 14近藤兼彦 15以西鶴太郎 16以西直太 18以西岩一 19福田次郎 20貝出文吉 22坂東英一 23福田政義 24美間万吉 27坂東政義 29福田正一 30福田平次郎 32森本繁弘 34美馬直一 35タカハシゴンキチ 36三浦浅吉 38福田実三郎 39金岩松太郎 40吉村栄 41松本利一 42福田音吉は何れも無効事由なく、17以西久 25福田徳市は何れもその印影を認識し得べく印章不鮮明を理由に無効とすべきではない。

国府町早淵地区分署名簿(別表(二)の六)に記載された署名中

4松浦清助 5坂東甚右衛門 6松本幸男 7吉田品太郎 8立石実雄 9吉田音吉 11後藤岩太郎 13伊沢文次 14伊沢佐太郎 15八木善助 16滝本春男 18清井忠義 22美間由一 25山田森一 27米沢保一 28近藤友一 29伊沢繁一 44鎌田常蔵 45小林嘉一 46小林長三郎 49小林久吉は何れも無効となし難く36美馬甚次郎は検乙第一号によれば組合員たること明らかであり、47立石嘉昭は代筆認定の主張あるも之を認むべき証拠は存しないから何れも無効とはならない。

和田地区分北岩延及中村の一部地区分署名簿(別表(二)の七)記載の署名中

1大島和七 2加藤理七郎 3川添晴太郎 4加藤茂 5堀口貞一 7田村岩太郎 8田村留吉 9清水万平 11川島茂三郎 13横山昇 16川島惣太 17田村政雄 18川西晴蔵 19松本幸一 20鎌田美男 21日和田芳雄 24東条次男 25岡本仲之丈 26黒田清 27盛善次郎 28黒田義一 30加藤敏治 32堀井義雄 34佐藤清助 36手塚正太郎 37北島邦太郎 39近藤久一 40加藤武男 42筒井繁二郎 43山田甚吉 44井上金一は何れも無効とすべき事由なく、6吉岡太吉は代筆なる旨の主張があるけれども之を認むべき証拠はなく、14長尾義夫 35佐藤富蔵は何れも印影の判読可能であつて無効印ではない。又12岡本兵次郎 45岡本兵次郎は二重署名であるからその一を以て有効と見るべきである。

南岩延地区分署名簿(別表(二)の八)記載の署名

被告は右地区の署名は請求要旨の一部を削除した趣意書を配付することによつて賛成署名を得たから所謂詐欺勧誘ですべて無効であると主張するが、仮りに代表者が署名簿添附の請求書と異つた趣意書を配付したとしても、いわゆる詐欺勧誘ということにはならぬことは前述判示の通りであるから右主張は肯認し難い。而して各署名中

1領家内匠 2漆原信夫 3横山秀夫 5横山金次郎 6三木儀右衛門 7谷川麻一 9遠藤伴右衛門 10遠藤真七 11豊田明 12早雲茂 14三木友二 15折村和平 16原田昌 19河野文二郎 21横山直一 22中村勝政 23横山福一 24三木注連吉 25三木晴之 27岩崎義平 28岩崎一 29岩崎チカ 31領家テルコ 33岩崎泰 34谷川貞夫 36領家義七 37岩佐廉己 39三木仙次 40谷川勝利 41谷川喜六 43領家高蔵は何れも無効とは為し難く、26三木田明雄 32領家福市 38谷川喜代一の押印は何れも同人等の印影と認め得るので之亦無効と言うべきでない。

入田村矢野地区分署名簿(別表(二)の九)に記載された署名中

2佐川四郎 4吉田国太郎 7森口浜蔵 13森寿江吉 16谷口高男 17矢本テルコ 21山花頼太郎 24板橋与吉 26美馬彌蔵 29武知安平 33吉内武雄 37盛新一 41山口喜八は無効とする事由なく、12板橋庄三郎 22吉内和平 23吉内洋は印章不鮮明を理由に無効というが同人等の押印と認めうるので無効とは為し難い。

以上の有効と認められる各署名数は二百二十七名であり、被告改良区が各個別署名審査の上有効と判定した五十四名を加えると二百八十一名となるから組合員数の三分の一である二百七十八名以上となる。従つてその他の署名についての判断をなすまでもなく被告改良区が代表者に対し本件署名簿の確認証明書を交付すべき義務あること明らかで、署名簿及び各署名の無効を理由にその申請を却下した処分は違法である。よつて之が取消を求め有効署名数が被告改良区組合員総数の三分の一以上であることの確認を求める原告の請求は正当として認容することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八十九条を適用の上主文の通り判決する。

(裁判官 今谷健一 小川豪 永石泰子)

別表(一)

一、形式的審査による無効理由

(1)非組合員とみとめられる者の署名(組合員名簿に該当者無し)

(2)姓のみを記載し名前の記載ない署名

(3)押印を欠く

(4)同人が二重に署名した

(5)代筆

(6)生年月日の記載ない署名

(7)住所の記載ない署名

(8)署名年月日の記載ない署名

(9)住所の記載が組合員名簿に相違する署名

(10)何人であるか判断し難い署名

(11)生年月日が組合員名簿に相違する署名

(12)姓の相違する署名

(13)名の相違する署名

(14)自印でない印を押したとみられるもの

(15)印影の不鮮明な押印のある署名

(16)署名年月日が不正確な署名

(17)住所が不明確な署名。<イ>住所欄に「〃」とのみあるもの、<ロ>字名のみを記入したもの、<ハ>住所欄に「同」とあるもの、<ニ>住所欄に矢野とのみ記入し入田村の矢野であるか、国府町の矢野であるか不明のもの、<ホ>字名の下に数字を記載したもの、<ヘ>「〃」の下に数字を記載したもの

二、実質的審査による無効理由、即ち請求代表者が解職請求の理由とする請求要旨を読まず或いは之が不理解のまゝに署名したとみとめられるものであるが、これを分類すれば左の如き理由である。

(1)他人に頼まれ又は他人の署名行為に動かされて、或いは漫然と解職賛成の署名をした

(2)請求要旨中の一部分に賛成して署名した

(3)経費、税金乃至人件費等の減少即ち組合負担金の軽減を希望して解職請求に署名したもの

(4)請求要旨に記載した事項以外の理由で賛成署名した

(5)請求代表者が請求要旨に反する趣旨を以て勧誘しこれに賛成して署名した

(6)全役員、乃至全理事、全総代の解職に賛成して署名した

(7)請求代表者以外の者から又は方法で勧誘されて署名した

(8)被告改良区を脱退するいみで署名押印した

(9)当該地区においては賛成し難いと思われる箇処につき請求要旨の一部を削除、変更した趣意書を配付してその賛成を得た署名

(別表(二)の一―九省略)

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